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【壁新聞道場!】たのもーーーう!茨城県 その⑤

2015.12.16 掲載

茨城県は25枚のかべ新聞の応募があったよ!その中から6枚をご紹介。
今週は久松師範です。よろしくお願いしまーす!

茨城県 その①(「八溝自然たんけんたい」さん) その② その③ その④

水戸市「逆川こどもエコクラブ」
 

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逆川こどもエコクラブ⑫の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━

千波湖周辺の生息する外来種の生きものが,一目で分かるようにまとめてくれました。それから,確認した種については,それぞれ詳しい解説がつけられたので,「千波湖外来種図鑑」としても役に立ちそうですね。

昔から見られるアメリカザリガニやウシガエルも外来種ということが,すぐ分かりました。このことを知らない人も多いと思います。グッピーが観察されたのはおどろきました。グッピーは熱帯生まれなので寒さに弱い魚です。茨城県で冬を越すのは難しいと思いましたが,千波湖でとれたのですね。環境省では,グッピーを要注意外来生物に選定して,野外へ放すことがないよう啓発しています。アメリカザリガニやミシシッピアカミミガメも要注意外来種ですね。

外来種を増やさないためには,まず私たちが行動を起こさねばなりませんね。「ペットとして飼ったもの,とったものは捨てない」ことも,そのひとつの方法ですね。新聞では,決意も書かれており感心しました。ホタルが乱舞したり,サケの産卵が見られたりするような自然を増やすためにはどうしたらよいか,みんなで考えて,保全活動をすすめていってください。 

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

外来種と在来種のちがいをまとめてくれました。外来種は,生態系や経済に大きな影響を与えることがあるので,環境問題として扱われることが多くなりました。でも,すべての外来種の繁殖力が強かったり,在来種を食べたりして他の生きものに影響を与えるわけではありません。
人が持ち込んでしまった生きもののうち,弱い生きものが絶滅し,強い生きものが生き残ったので,そのように感じるのです。それから,外来種は,好きこのんで日本にやってきたわけではありませんね。人が持ち込んでしまったのが,そもそもの原因なのです。外来種の立場になって考えると,単純に駆除すればよいのかどうか,考えさせられます。この問題は非常に難しいですね。これからどうしたらよいか,みんなで考え,住みやすい環境を作っていって下さい。

 

逆川こどもエコクラブ⑬の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━

千波湖周辺に生息する生きものについて,写真をはってまとめてくれました。一目で分かり,こんなに多くの魚がいることを知ることができました。

種類をよく見ると,千波湖にはメダカやウナギがいることが分かります。メダカは,環境省が発表したレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に,ウナギは絶滅危惧ⅠB類に選ばれていますね。ちょっと難しい単語が並びましたが,どちらの種も数が減ってきてしまっています。そのような種が千波湖にいるということは,千波湖の豊かな自然を反映していることになりますね。

一方で,外来種のオオクチバスやアメリカナマズなど4種も紹介しています。外来生物は,もともと千波湖には生息していなかったのですが,他の地域から人が持ち込んだ生きもののことですね。これらの魚が侵入したことで,もともといた魚などが少なくなってしまうかもしれません。でも,外来種の魚が好きこのんで千波湖に侵入したわけではありません。外来種の魚のせいにすることもできませんね。

一度,変えてしまった自然を元にもどすことは,とてもむずかしいことです。みんなと一緒に,どのようにしたらよいか考えていって下さい。

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

千波湖に生息する魚や,その周辺で見られる昆虫を分かりやすくまとめることができました。そして,千波湖にはたくさんの生きものが生息することに気づきました。とても,よいことに気づいたので,それをアピールすることも大切です。タイトルを「自然豊かな千波湖」とするのも,ひとつの方法ですね。外来種のことに注目するなら「千波湖の外来種とは」のようにするのもよいでしょう。題名を工夫するだけで,読み手の印象が大きく変わります。みんなに何を伝えたいかをよく考えることが大切といえますね。

生きものについては,その性質を詳しく調べるのも面白いと思います。絶滅危惧種のお話もしましたが,それを紹介するだけでも内容が深まります。他の生きものの性質が分かると,また新しいことに気づくでしょう。

ひとつのことを調べると,また新しい疑問も生じてきます。いろいろなことに関心を持って調べ,たくさんの考え方を身につけてほしいと思います。

 

逆川こどもエコクラブ⑭の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━

タイトル,中タイトルのつけ方,気に入りました。まず,「黄金のヒカリモ」というタイトルが目に入り,次に「ヒカリモって何?」「光るしくみは?」「千波湖周辺の生育地」と,書かれている内容が一目で分かる題名がつけられました。読み手が何を知りたいかを考えて,新聞をつくることができたと思います。図や写真を豊富に入れ込んだ点もよかったと思います。ただ,こどもエコクラブの「壁新聞道場!」では,重ねばりはすすめていません。次回は,重ねばりしないで示すような工夫をお願いします。

「プランターにもヒカリモ発生!!」という,トピック欄も興味を持って読むことができました。今まで発生のなかった水戸市植物園で採集した水草から発生したというのは,とても不思議です。新たな群生地の発見につながるかもしれません。追加の調査が望まれます。

「まとめ」にも書いてありますが,ヒカリモの生態は謎だらけですね。いろいろな観点からヒカリモを見つめて,新しい発見につなげていって下さい。

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

千波湖のヒカリモのことが,とてもよく分かりました。見出しの作り方にも工夫が見られました。オリジナルのデータが少ないので,これからの調査にも期待するかべ新聞となりました。

今回,ヒカリモを調査したことによって,現在分かっていることと,まだ分かっていないことがはっきりしました。“いつ発生するか”を突きとめることが,ひとつのきっかけとなり,いろいろな発見につながりそうです。毎日観察するのは難しいかもしれませんが,ぜひ,みんなで協力してヒカリモの謎の解明をしていって下さい。

それから,新しい発生地を探すのも面白いかもしれません。水戸市の周辺には,自然豊かな地がたくさんあります。千波公園や植物公園の他にも,森林公園や七ツ洞公園など,自然が残っている場所がたくさんあります。違うところでヒカリモが見つかれば,それも大きな発見ですね。千波湖以外の場所を訪れることは,水戸の自然を見直すきっかけにもなります。調査をすすめてみて下さい。

 

逆川こどもエコクラブ⑮の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━

なぜ,水生生物を調べたのか詳しく書いてあったり,調査の様子を写真で説明したり,工夫の跡がうかがえました。千波湖で行った水生生物調査の様子が分かりました。「千波湖とは」という項目もいいですね。水戸から遠いところに住んでいる人は,千波湖を知らない人も多いと思うので,とても親切だと思いました。

調査の結果を見ると,千波湖に多くの生きものの生育が確認されたのと同時に,外来の生きものの多さにおどろいたようですね。アメリカナマズなどの魚,ミシシッピアカミミガメは,もともと千波湖には住んでいませんでしたね。これらが,なぜ千波湖で採集できたのか,その理由を考えてほしいと思います。そして,私たちは,これらの生きものとどう付き合っていくかを,みんなでよく考えて,千波湖の自然を守っていってほしいと思います。これからの調査や,いろいろな活動を期待しています。

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

調査の方法や,その結果が分かりやすく書かれていました。少し工夫をすることで,読み手の興味を高めることができると思います。

まず,見出しを考えてみましょう。この壁新聞で,1番いいたいことは何でしょうか? 千波湖にたくさんの生きものが生息したことを伝えたいなら「千波湖に残る豊かな自然」のようなタイトル,外来種が多くなってきたことを伝えたいなら「外来種が増加する千波湖の今」のようなタイトルは,どうでしょうか。読み手に何を伝えたいのかを考えながら,全体のレイアウトを見直すとよいと思います。

“テナガエビが多いと感じたけど,オオクチバスも見つかったのでおどろいた”と書いたところなどは,いい感想だと思いました。ただ,オオクチバスが外来種であることを知らない人も多いと思います。少し説明を加えてあげたりするのも工夫の一つですね。調査でとれた生きものの写真と併せて,種名も書いてくれると助かります。

 全体をまとめると,“外来種が多くなってきてしまった”という結論でしょうか。これから,どのようにしたらよいか,みんなに訴えて,みんなで生きものに優しい環境をつくっていきたいですね。がんばりましょう!

 

逆川こどもエコクラブ⑯の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━

千波湖周辺で見つけた昆虫を示してくれました。水辺なので,やっぱりトンボが多いですね。オニヤンマやウチワヤンマなど大きなトンボが見られてよかったですね。
オニヤンマは森のはずれのすずしい場所で,ウチワヤンマは開けた池などでよく見られます。ちがう性質のトンボが見られたということは,ふたつの豊かな環境が残っているということです。千波湖には豊かな自然が残っているという証拠ですね。
クロアゲハは,名前を調べてから逃がしてあげました。優しい気持ちが伝わりました。

ヒカリモは,水戸市指定の天然記念物になっていますね。千波湖の周辺では,何カ所かの記録がありますが,いつ発生するかなど,そのしくみはよく分かっていません。これから,いろいろな調査が望まれます。ヒカリモは,水のきれいな洞くつなどに生息する藻類で,その保全も課題です。どのように守るかを決めるためにも,その生き方を調べてみてください。

多くの昆虫とめずらしいヒカリモがいることで,改めて千波湖の豊かな自然を知ることができました。これからも,自然豊かな千波湖であるように,さまざまな取り組みを続けていって下さい。

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

千波湖の昆虫とヒカリモについてまとめてくれました。自分が興味を持った内容なら,それをかべ新聞にまとめるとき,やる気が出ますよね。両方とも,興味や感心の高い生きものなので,いい題材を見つけたと思います。

題材を見つけたら,興味を持ったことについて,どのように相手に伝えたらよいかを考えます。昆虫とヒカリモは生きものの分類がちがって,それぞれ多くの話題がありますね。かべ新聞で内容を伝えようとするとき,両方を一度に記すのは,とてもむずかしいと思います。テーマをひとつにしぼるのは,解決策になると思います。

かべ新聞では,文字,図,写真などを使って説明します。図や写真を効果的につかうのも,かべ新聞をまとめるときのコツです。空の中に昆虫の写真をはって種類を説明してくれました。分かりやすくていいですね。この中に,“よく見られる”とか“めずらしい”というような言葉を加えるだけで,情報の量がグッと増えます。そんなコメントも加えてみましょう。

千波湖周辺の生きものを観察して,まとめておくことは,今の自然を知るためにも大切なことです。続けていって下さい。

 

逆川こどもエコクラブ⑰の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━

こどもIPCC&ESDプロジェクトの4つの作業部隊の様子がよく分かりました。

第1作業部隊は,温暖化防止の取り組みとして,ペットボトルの分別を行いました。Jリーグの水戸ホーリーホックの試合でイベントを実施するなど,大勢の人が集まるところで活動を行うのは,効果的ですね。自分たちのイベントがエコにつながったことも,成果の一つです。

第2作業部隊は,地元の各種団体とゴミ拾いを行いました。多くの人たちを巻き込んでの作業が,なんといっても素晴らしいと思いました。“サケが産卵しやすい環境をつくるために川の中のゴミ拾いをする”と,目標をしっかりたてて活動していることも大切ですね。

第3作業部隊は,ホタルが住みやすい環境をつくるために整備活動を行いました。ホタルの産卵時期を考えて,6月に草刈りを行う点など,生きもののことを思いやって活動しています。また,活動の主体が保育園児から高校生と幅広く,次の世代に受け継いでいけることが素敵です。ホタレンジャー奨励賞おめでとうございます。

第4作業部隊は,ビオトープの造成を手がけました。活動の年数はまだ3年ですが,ワカサギの産卵が見られたり,メダカが住んだり着実に成果が出ています。これからも続けて,千波湖の周りにたくさんのビオトープができるといいですね。さらなる活動を応援します。

さまざまな活動が連携し合いながら,逆川や千波湖の環境を守っていく様子を見て,大変すばらしいと思いました。これからの活躍も期待します。

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

いろいろな活動の報告が,わかりやすく簡けつにまとめられていたので,「師範から一言!」のコメントを記すのも楽しくできました。内容が豊富な新聞なので,かべ新聞として高いレベルのコメントを以下に記します。

このかべ新聞では,タイトルに“こどもIPCC&ESDプロジェクト”とあり,続いてIPCCとESDの説明と,諸活動を記してくれました。この,IPCC・ESDと諸活動の内容は分かるのですが,双方の関係が不明りょうです。また,新聞の大切な内容に5W1Hがあります。それが記されているかどうか見ると,いつ行ったのか,誰が行ったのかという内容が,よく分かりません。「逆川こどもエコクラブ」全体の活動の報告という形式でまとめられたと思いますが,かべ新聞としては“読者に何とつたえたいのか”という視点を大切にして,紙面を構成させるとよいでしょう。そうなると,自ずとタイトルから変わってくると思います。

辛口コメントになってしまいましたが,内容がすばらしいので,あえて記させて頂きました。次回も期待します。

久松師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!

エコまるjumping.bmpのサムネール画像

茨城県 その①(「八溝自然たんけんたい」さん) その② その③ その④

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