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先輩NOW 木暮 葵さん:ヤマメクラブ(群馬県甘楽町)OG

2020.07.10 掲載

こどもエコクラブがスタートして間もなく四半世紀。これまでに活動してきたメンバーは全国で延べ260万人を超えました。「先輩NOW」では、クラブの活動を通して成長した先輩に登場してもらい、当時の思い出や今どんなことをしているかなどを語っていただきます。頼もしい先輩たちの姿、必見ですよ~!!

今回は、小学6年頃から中学3年までの4年間活動していた木暮 葵(こぐれ あおい)さん(クラブ名:ヤマメクラブ(群馬県甘楽町)」に登場していただきます。

 

ヤマメ1.png↑ヤマメクラブが環境教育賞を受賞
ヤマメクラブの活動が甘楽町のウェブサイトに掲載。(近所の下流の川)

 

                 
 

 

kawa-yawa.pngこどもエコクラブ時代で特に印象に残っているのは、水棲生物の調査です。川の水棲生物調査と聞き、最初は好きな魚を見つけるのかなと思ってチャレンジしたんですが、石をひっくり返して見つかったのはへばりついてるちいさな生物(カゲロウの幼虫など)が中心だったので「虫やん‼︎」と思ったのを覚えています(笑)。

物心ついた頃から絵を描くのが好きなので、見つけた幼虫やその時の活動の様子をスケッチや壁新聞を描くのが特に楽しかった思い出があります。

また、川の上流の地域が蕎麦の栽培が盛んなところだったので、そば打ち体験をしたのも印象的でした。
今考えると都会では簡単にできない、まるでイベントのような出来事ですが、幼い頃実家でも蕎麦用の畑を借りて、脱穀をした経験もあって、当たり前のようにそんな活動によく参加していました。こんな活動ができたのも、こどもエコクラブだったからこその貴重な体験だったのだなあと思います。

ヤマメ2.jpg↑上毛新聞-第4回群馬の川の水質マップ(2006年) 
群馬県の新聞(上毛新聞)に掲載。蕎麦の栽培が盛んな川の上流。左から3番目が木暮さん。

 ヤマメ3.jpg
  ↑上毛新聞-第5回群馬の川の水質マップ(2007年)
  群馬県の新聞(上毛新聞)に掲載。
  中流のよく遊んでいた川。
  写真後列の右から6番目が木暮さん

 

yamame2.png

こどもエコクラブでよかったなと思うことは、心理的な距離がとても近い仲間ができたことです。
人数がそれほど多くない地域の学校だったので、地元の友人とは基本今でも仲が良く、地元や都心、地方など色々な場所に各々分かれていても、たまに会うと気兼ねのない気分になりますが、特に都心に出てきている元メンバーの友人とは今でも時々会って一緒に自然や街に出かけたりしています。

また、地元を離れ、エコ活動から足が遠のいたと思っていても、全く予期しないところからまた繋がりが生まれることがあります。全く別の分野で初めて会う方が、実はこどもエコクラブと繋がりがあったり、すでに知り合っていた方が実は昔こどもエコクラブだったと判明したり。文字通り点と点が繋がる瞬間に巡り合えて、それが別の形に変化したり親近感がわいたりして、とても豊かな気持ちになります。こどもエコクラブによって一つ扉が開いたような選択肢の幅を広がった感じがします。

mybottle.pngこどもエコクラブの活動を通じて学んだことが、現在の生活や活動にどれだけ直接結びついているのかわかりませんが、社会人になってからは、水をボトルで持ち歩くのが今では普通の感覚です。仕事のときはコーヒーのマグと水のボトル。でも荷物が重くなるので自分が嫌にならない程度に持ってます(笑)。おかげでペットボトルの購入頻度は激減し、飲料ボトルのゴミはほとんど出ません。

ごみの分別なども、父母など小さい頃からやっている大人を側でみていたのもあってか苦に思ったことはあまりないので、そういう意味では知らないうちに意識が身についていたのかもしれません。
また、小さい頃によく遊んでいた地元の川に生活排水の泡が流れていたのがショックな光景として残っており、普段家で使う洗剤は全て生分解性のものを使っています。ちなみに今では下水道が完備され川の水質は戻っています。

こう言うと強いこだわりがあると思われがちですが、「自分が使っていて心地いい」、そしてそれが「自分の手から離れたところにも負担をかけにくい」と自然に感じているのでそうしている、という感覚です。

ekaki-t.png現在は東京でIT関係のお仕事で、Webデザインに取り組んでいます。元々紙類や印刷周りのデザインが好きで前職では環境に配慮した印刷を行う印刷会社に営業職として勤務していましたが、自分でもデザインをしたい&スキルを身に付けたいと思い、普段馴染み深いアプリやwebデザインのIT業界を選んで転職しました。

こどもエコクラブでスケッチが好きだったことが、その後美術やデザインを学ぶきっかけにもなったと思います。美術館も好きというと高尚なイメージをもたれますがそんなことは全然ないです。根は変わらず野遊び外遊びが大好きなエコキッズのままですが、それが現在のデザインの仕事に活かすことにつながっているのかなと思います。

sizen.jpg元からアウトドアが好きなこともあり、山や海や島に観光も兼ねて時々出かけます。身近な地域の自然や文化などを知ると、好きなものが増えるようですごく楽しいです。
東京は大都会ですが、東の海側と西の山側で随分印象が異なりますし、島も行きやすく穴場と感じる場所が多いので、コロナ禍の前はあえて都内の意外な自然を探しによく出かけていました。

今は感染予防のためにマスクをしていますが、マスクをしていると匂いがわかりづらいですよね。個人的な感覚ですが、雨が降る前の湿度の匂い立つ感じやカラッとした空気など、季節を感じる感度が鈍ったように感じます。ソーシャルディスタンスを十分保てる人が少ない場所ではマスクを外して、小さい頃感じていた五感を研ぎ澄ませるようにしています。
少しでも早くコロナ禍が落ち着いて、こどもエコクラブのメンバーのみなさんにも、五感をフルにつかって早く仲間と思いっきり外遊びができるようになれるとよいなと思います。

【リンク先など】

・甘楽町ウェブサイト
  ヤマメクラブが環境教育賞を受賞
   http://www.town.kanra.gunma.jp/archives50/50-19.html

・国土交通省関東理法整備局ウェブサイト
  上毛新聞-第5回群馬の川の水質マップ-2007-h19-1020
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000026411.pdf

上毛新聞-第4回群馬の川の水質マップ-2006-h18-1014
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000026367.pdf

【全国事務局より】
こどもエコクラブのメンバー同士であれば、場所が離れても、時を経てもすぐにその時の打ち解けた仲間に戻れる。ということでしたが、とても素敵なことですね♪
また、こどもエコクラブで感じた環境への想いが成長してもしっかりと残っていて、自然にマイボトルや環境に配慮する行動をとっている様子に頼もしさを感じました。また、美術館が大好きで美術やデザインを学んだ木暮さん、こどもエコクラブの活動時に磨いた感性とスキルが現在のお仕事にもつながっているということを伺ってとても嬉しくなりました。
最後に、木暮さんからメンバーに向けて、「五感をフルにつかって思いきり外で遊ぼう!」とメッセージをいただきました。こどもエコクラブのみなさん、今は活動がしづらい状況ですが、活動できるようになったら思い切り五感を働かせることができるよう、ぜひできる範囲で五感を研ぎ澄ませてみましょう!

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!

  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG