リアルヴォイス バックナンバー

リアルヴォイス

case08 次世代のためにがんばろ会 こどもエコクラブ(熊本県八代市)

2020.03.10 掲載

今回は熊本県八代市の「次世代のためにがんばろ会 こどもエコクラブ」さんの登場です。
熊本県南部に位置し、県内で2番目の人口を有する田園工業都市である八代市。市内を流れる球磨川(くまがわ)は日本三急流の一つですが、水質をはじめとする自然環境の汚染が進んできています。
「次世代のためにがんばろ会」さんは、“Think globally, Act locally”をコンセプトに掲げ、2001年に設立されました。今回は、代表の松浦ゆかりさんとメンバーの上村蒼月さん(中学2年生)にお話をうかがいました♪

インタビュー、開始!インタビュー.bmpのサムネイル画像

エコまるwalking2.png

活動を始めたきっかけは何ですか?

〇〇〇.png(松浦)「次世代の子どもたちが健康で安全な生活を送れるように」との思いから、球磨川の水質浄化や環境問題の啓発に取り組もうと考え、「次世代のためにがんばろ会」を設立しました。これまでにカキの殻を利用した河川浄化や、国土交通省や保健所と共催で川岸のごみ拾いを行う「こどもごみパトロール隊」などの活動を行ってきました。
会の名称にもあるとおり青少年の育成が大きな目的であり、子どもたちが自然環境保全の取り組みを理解し、体験するとともにその手法を自ら学び継承してほしいという願いから、2015年にこどもエコクラブにも登録しました。

(上村) 身近にできることから、自然や環境に関する勉強や活動をもっとしたいと思ったので、こどもエコクラブに入りました。小学1年生のときから、清掃活動や自然観察会に参加しています。ごみパトロール隊②.jpg 【こどもごみパトロール隊】

エコまるwalking2.pngクラブの「自慢」を教えてください。
 
〇〇〇.png(上村) 僕が住んでいる八代市は、日本三急流の一つである球磨川が流れ、八代海にそそいでいます。そこに広がる球磨川河口には、カニやゴカイなどたくさんの底生生物がいて、それらを餌としている渡り鳥がたくさんやってきます。貴重なクロツラヘラサギやズグロカモメなどもやってきます。
このように、世界的に見ても素晴らしい球磨川、球磨川河口を守るため、水質検査や清掃活動などを続けていることが、「次世代のためにがんばろ会 こどもエコクラブ」のすごいところだと思います。

(松浦)学校や行政、地元企業など、多様なステークホルダーとのつながりです。ある団体がイベントを主催する際に、私たちも実行委員会のメンバーとなって一生懸命にそのイベントを手伝います。同じように、他の団体の人たちも、私たちが主催するイベントを手伝ってくれます。広報や情報発信も含めお互いに持てるものを出し合うことで、お金を介した関係では得られない信頼が生まれ、今もそれは続いています。
エコまるwalking2.pngこれまでの活動で一番印象に残っているものは何ですか?

〇〇〇.png(上村) 「くま川ごみゼロポスターコンクール」に応募したところ、金賞に選ばれただけでも嬉しかったのに、僕の絵が看板になって、球磨川沿いに設置されていることです。毎年、浜辺や河川の清掃活動に参加してきましたが、不法投棄の多さにいつも残念で悲しい気持ちになっていました。そこで、不法投棄がなくなるようにと思いを込めて絵を描き、応募しました。ごみを捨てようとした人が、僕の書いた絵の看板を見て、「ごみを捨ててはいけない」と思い、不法投棄がなくなることを願っています。

IMG_2594.JPGIMG_2615.JPG

(松浦)2011年、会の発足から10年になるのを記念して、それまでにつながった団体と、活動を通して会員になった若者たちが実行委員となり「青少年環境フォーラム」を開催しました。市内の高校生はもちろん日本全国から参加があり、総勢1,200人以上の大イベントになりました。これだけのイベントを実行委員として企画・運営できる若者が育ってきたこと、築きあげてきた官・学・民・産の協働の輪の確かさを実感することができた幸せな時間でした。 

エコまるwalking2.png協賛会員が多くいらっしゃいますが、会の活動にはどのようにかかわっておられるのでしょうか。企業協賛を得るためのポイントについても教えてください。
〇〇〇.png(松浦)会が主催する「八代海河川・浜辺の大そうじ大会」や様々な体験企画に参加されています。協賛もこうしたイベントや活動への参加がきっかけになっています。日ごろの活動が学校や地域でのボランティアに結びついていますので、企業にとっては自分たちの活動をアピールする絶好の機会にもなり、Win-Winの関係が築けています。
また、朽木を利用して、クワガタやカブトムシの居場所をつくり育成した活動も、子どもたちに人気でした。これらの活動について、鯖江市が市民と共同で開催する「こどもエコクラブ活動交流会」でステージ発表したのもよい経験になりました。
 
エコまるwalking2.png今後はどのような活動をしていきたいですか。
 
〇〇〇.png(上村)これからも活動を続け、たくさんの人に自然を守ることの大切さを知ってもらい、八代の豊かな自然を次の世代につないでいきたいと思います。

(松浦)子どもたちは他の学年との交流や大人との協働を通して様々なことを学んでいます。これからも持続可能な社会の構築を地域の人たちと一体となって行う活動の場を広げていきたいです。世代を越えた交流を促進しながら次世代を育て、活動を引き継いでいければと思います。大そうじ大会.jpg 【第14回八代海河川・浜辺の大そうじ大会】
お互いに助け合うことで信頼関係を築いていくことが、官・学・民・産の垣根を越えたネットワークをつくり、維持していく秘訣なんですね。また、若い世代を積極的に巻き込むことで地域の後継者育成も着実に進めています。「次世代のためにがんばろ会」、まさに「名は体を表す」ですね(^_^)ありがとうございました!!e-gogo.png


 

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!

  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG