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第49回♪リボン&パンジーこどもエコクラブ・近藤 ゆみ代さん(東京都品川区)

2016.05.10 掲載

こどもエコクラブに関わるサポーター・コーディネーターさんたちが、こどもエコクラブのサポートやコーディネートを通じ、どんな活動プログラムを行っているのか、またどんなことを感じているのかそのリアルな声をご紹介します♪

他のサポーターさんやコーディネーターさんのご意見は、クラブをサポートする側にとって大変興味深いものかと思います。このコーナーがクラブに関わる多くのみなさんにとって取り組みのヒント・今後の活動の充実のための参考となって、どんどんクラブが元気になりますように★

11年間の活動の中でメンバーとサポーターで学んだことは、
「まずはやってみる」「成功も失敗も受け入れて、みんなで分かち合う」ということ。

クラブ名:リボン&パンジーこどもエコクラブ(東京都品川区)
 クラブカテゴリ: 近所や地域のお友達 /メンバー6名/クラブ活動年数 11年
代表サポーター:近藤 ゆみ代さん(JECサポーター歴11年)

 主に品川区周辺で活動をされているリボン&パンジーこどもエコクラブさん。
 最初はご家族で結成されたクラブでしたが、現在はお友だちも加わって賑やかに活動されています。インタビュー.bmp
 品川区というと都会というイメージがありますが、自然体験や駅前の清掃活動などに積極的に取り組まれています。結成して11年、どんな工夫をしながら活動をされているのか、
代表サポーターの近藤ゆみ代さんにお話を伺いました

■とても可愛らしいクラブ名ですね!ぜひ由来を教えてください!

 クラブ発足時にメインのメンバーが一つずつ好きな言葉を出し合いました。ひとりが「リボン!」もう一人は「パンジー♪」と言ったのです。それでリボン&パンジーこどもエコクラブが発足しました。子どもの一言でとても安易につけてしまったのですが、不思議なことに、その数年後に区のリサイクルショップの名前が「リボン」に公募で決まりました。区の広報で読んだとき、とても親近感とご縁を感じ、このクラブ名でよかったと思いました。

■普段はどのような活動に取り組んでいらっしゃるのか教えてください。

 活動5年目から、NPO Hand in Handさんから借りた駅の屋上の庭園の手入れをしています。JRの駅ビルの屋上にある畳一畳ほどの農園で、ジャガイモやラディッシュ、ピーマン、ミニトマト、青シソ、ミントなどを育てていました。現在はお花に切り替えて、日中遊びにくる乳幼児とその保護者がゆったりとした時間が持てるように、優しい色彩のお花を植えています。ムラサキシキブ、スミレ、パンジーなどです。こどもエコクラブの看板をメンバーで手作りして設置して、自分たちはもちろん、訪問するみなさんに楽しんでもらうようにしています。

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■リボン&パンジーこどもエコクラブさんは、近所や地域のお友達のクラブですが、どんな声かけをしたのでしょうか?

最初はファミリーのクラブで長女を中心とした活動からはじめました。長女は手を動かすことやモノづくりが大好きだったので、もっぱら廃材などを再利用した小物づくりや豆電球や電池をつかった動くモノづくりに熱心にとりくんでいました。

一方で、幼児期からの自然体験の重要さを日頃から認識しあっていたメンバーの保護者とと意気投合し、「一緒に機会があれば遊びましょう」と同じ保育園だった人々に、こどもエコクラブを紹介したところ、仲間が増えました。登録すれば、メンバー手帳や活動に役立つニュースが手に入ると知ったこともきっかけの一つです。

こどもエコクラブのニュースやホームページから、いろいろなイベント情報や活動に役立つ冊子を入手できると知って、積極的に参加するようになりました。また、同じように活動している人と知り合うことで地元の情報にもアンテナを張ることが次第にできるようになりました。近隣の大きくて有名な神社の境内での田植え・稲刈りをはじめ、野生生物調査にも、「習うより慣れろ」の精神で参加し、調査と称してなるべく生きものが生息する場所にでかけて定点観測しました。正直なところ私自身は生きものが大の苦手でしたが、メンバーには内緒。いろいろな生きものに触れることは「メンバーの健全な成長に役立つはず」と信じて、一緒に連れ出しました。

こどもエコクラブ全国事務局や協賛されている企業をはじめ、夏にデパートや公園などで開催されるエコイベントにもなるべく参加しました。エコハウスづくりや自然の素材をつかった染物など、オリジナルグッズもどんどん増えていきました。

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■近所や地域のこどもたちと一緒に活動するうえで心がけていることはなにかありますか。また、他の保護者(サポーター?)との関わりやコミュニケーションの秘訣があれば教えてください!

地域のメンバーを集めたり、参加を呼び掛けたりする時に、とても重要と思っているのは、その活動で「メンバー自身が何を体験できるか、実感できるか」、「どんな発見や感動があるか?」「何かわくわくしたものを持ち帰れるかどうか」です。サポーターの皆さんにとって、メンバーの言葉や表情から報告される「楽しかった!」「またやってみたい」「次はこうしたい」ほど嬉しい言葉はありません。次の機会に誘っても「必ず一緒に行きたい!」と言ってくれるようになります。活動の初期の段階でどれだけ各メンバーが楽しく体験ができるかどうか重要かもしれません。保護者の方とのコミュニケーションも最初は少なくても、逆にいうとそれだけで、ぐっと濃いものになるような気がします。

そして、最近感じることは、この楽しい体験を、いつも一緒にいる仲間と共有すること、このことがメンバーにとって、とても大事だということです。最初は親子ではじめた時にはわからなかったことです。正直、最初はメンバーが一人増えると保護者への連絡等々手間が増えると思っていました。しかし、メンバー同士のつながりや関係が広がるほど、想像以上にメンバー間でより多くの人間関係が生まれるとともに、相乗的に豊かなコミュニケーションが交わされていくような気がします。

最後になりますが、集合時間や持ち物などの準備物、当日の解散時のお迎え時間などの連絡はこまめに行うようにしています。現在子どもたちのスケジュールは以前に比べて忙しいものになっています。活動日をあらかじめ設定することも大事です。現在はメールをはじめ、ショートメールやラインなど、電話以外の手段が豊富にあるので、連絡を取り合うのもとても楽になってきました。また、一緒に参加できなかった保護者の方にはイベントの最中であっても、できるだけ連絡をとりあったり、事後に活動中の活躍の姿を写メして送付したり、なるべくメンバーが無事に楽しく過ごしていることを知らせて安心してもらえるようにしています。なにより活動中の怪我や事故がないように注意しています。

■活動中のメンバーの様子や印象に残っている出来事(または活動)を教えてください!
柴又生きもの調査(自主生きもの調査団)に出かけた時のこと、みんなで胴長を貸してもらい、ドロドロのワンドと呼ばれる川の入江に入り、サワガニや小さな魚をつかまえました。

ガムはがし清掃イベントでは、メンバーが山手線沿いをガムはがしで一周しようと言い出して、実際に各駅停車でガムはがしを行っていきました。全駅制覇することは叶いませんでしたが、街の人から「何しているの?」と話しかけられたりして、子どもたちも自分たちの活動が美化活動に貢献していると実感したようです。また原宿などではたくさんの人たちに交じって、堂々と活動を行う姿にサポーターは大いに感心していました。

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柴又での生きもの調査(自主生きもの調査団) 
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JR恵比寿駅(えびす様脇で) ロッテ一日ガムとり教室
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神社内で稲刈り&わら細工づくり
【農園の活動では、収穫祭と称して、主催者をお招きしたことも楽しい思い出となっています。】

■11年間のこどもたちの活動をみて、こどもたちにどんな成長がみられましたか?またそれとあわせてこどもエコクラブを通じて、ご自身が変化したことはありますか?

11年間をふりかえって、こどもエコクラブの活動を通じてメンバーの成長として感じられたことは、「自ら考えて自発的に活動できるようになったこと」、「失敗を恐れないでやり遂げること」があげられるのではないかと思います。また、生きものの観察を幼少から行ってきたメンバーは生き物の多様性を身近に感じてきたためか、人間の多様性(個性)を受け入れる器が大きくなったのではないかと思います。

私自身もいろいろな体験を子どもたちと経験することで、多くを学びました。今にして思うと、こどもエコクラブを通じて、私自身が一番成長させてもらったのかもしれません。「まずはやってみる」、「成功も失敗も受け入れて、みんなで分かち合う」、などです。一方で最も難しかったことは、「メンバーたちが自分で考えて実行する場面で、決して手を出さないこと」で、今でも困難です。

 メンバーが小学校から中学校に上がった時に活動はスムーズに継続できましたか?その時に苦労した点や継続できたコツなどについて教えてください! 

 長女が中学生になった時には、メンバーはバラバラになってしまい、スムーズに継続できませんでした。しかし、次女が活動を引き継いでくれたため、クラブとしての活動を継続することができました。メンバーの成長にあわせて、役割をもたせられなかったのは、とても残念ですが、中学生・高校生は部活などで一旦離れてしまうと他のクラブさんからも聞いているので、また大学生になったら戻ってきてほしいと思います。

■今後、どのような活動を展開していきたいですか。あわせて今後の抱負や意気込みを教えてください。

これまでは「活動ありき」で、活動することにエネルギーをつかい果していたので、活動してもなかなか報告をまとめられませんでした。メンバー自身で活動をふりかえって、考察することがとても大事だと思うので、今後はインプットだけでなくアウトプットを意識して活動していけたらと思います。

また、これまでは自身の子どもと、そのお友だちを主たるメンバーとする活動でした。将来的には、これまでこどもエコクラブで得た感動を地域の子どもたちにおすそ分けできるようメンバーを増やして、地域に根付けるような活動にシフトできればと思っています。

みんなもチャレンジしてみよう!

「リアルヴォイス」では、幼児から取り組める簡単なプログラムから、学校や地域全体で取り組めるプログラムをご紹介いただけるサポーター&コーディネーターを大募集しています!また「こんなプログラムを紹介してほしいな」というリクエストも同時に受付けています♪

タイトルを「リアルヴォイス」とし、ぜひ全国事務局までメールをお寄せください。
プログラムをご紹介いただいた方は、こどもエコクラブ粗品を差し上げます。
皆様からのたくさんの声(ヴォイス)を、お待ちしています!

こどもエコクラブ全国事務局