リアルヴォイス バックナンバー

リアルヴォイス

リアル・ヴォイス☆Premium(プレミアム) Vol.4 香美市こどもエコクラブ

2018.03.06 掲載

こどもエコクラブに関わるサポーター・コーディネーターさんたちが、こどもエコクラブのサポートやコーディネートを通じ、どんな活動プログラムを行っているのか、またどんなことを感じているのかそのリアルな声をご紹介します♪

他のサポーターさんやコーディネーターさんのご意見は、クラブをサポートする側にとって大変興味深いものかと思います。このコーナーがクラブに関わる多くのみなさんにとって取り組みのヒント・今後の活動の充実のための参考となって、どんどんクラブが元気になりますように★

yawaカラー.jpg「リアル・ヴォイス☆Premium(プレミアム)」第四弾は「エコ活コンクール」の壁新聞部門で、高知県代表の常連になっている香美市こどもエコクラブさん。一目で引き付けられるデザイン、レイアウトと、充実した内容の記事からなる壁新聞には、子どもたちの一年間の学びと成長がギッシリ詰まっています。

香美市発・地球を守る活動 

 香南市・香美市で小学校の校長先生をされていた代表サポーターの時久恵子さんが、香美市内の子どもたちに声をかけ活動を始めて9年目。「ぼくたち、わたしたちが地球を守る!」をテーマに、クラブの出発点である物部川源流部の森林をシカ食害から守る活動と、CO2排出量の削減を目指す活動「みんなで『Cool Choice!』」を中心に、多い時には月6回も活動してきました。

シカの害から森を守る

 物部川源流部の森を守る活動では、秋に森にブナの種を拾いに行き、冬の間家で育てて、春にその苗木を植え戻しています。あわせて、シカに食べられないように苗木を植えたエリアに保護柵を立てたり、その修繕をしたりといった作業も行います。

長く続けることにより、森の大切さを身に染みて感じ、森を守るために何ができるかを自分たちで考えられるようになってきました。マルハナバチやチョウなど、これまで見られなかった虫たちがたくさん見られるようになり、森の変化や生命のつながりも実感しています。生態系を保つためには、増え続けるシカを罠で捕らえ、殺すことも時には必要であると理解しているので、猟師さんの話も怖がらずに落ち着いて聞けるようになりましたし、質問もたくさん出ました。

syokuju-a.png 写真①WEB.jpg 写真②Web.jpg
 

一年間の集大成・壁新聞づくり

sinbun.png香美市こどもエコクラブが特に力を入れているのが、壁新聞づくり。子どもたちは、一年間の活動の集大成ととらえており、4月に集まった時からそのことは意識しているそうで、中には壁新聞にきれいな字を書くために習字を習い始めた子もいるくらい。
写真③WEB.jpg
普段の活動は香美市こどもエコクラブみんなで行うことが多いのですが、壁新聞は気の合うメンバーで作ったそれぞれのグループに分かれてつくります。一年間一緒に活動していても、どの活動をとりあげるか、それをどう表現するかはグループの個性が出るところ。何度も話し合いを重ね、冬休みに入るとほぼ毎日のように集まって新聞づくりに没頭します。低学年が中心のグループでは意見がまとまらないこともありますが、そんな時はサポーターではなく別のグループの高学年のメンバーが自分たちの新聞を後回しにして助け舟を出すそう。グループ内はもちろん、グループを越えた話し合いや協力が、仲間意識を醸成し成長を促す原動力となっているのです。

継続は力なり

写真④WEB.jpg 「壁新聞をつくることで、子どもたちの表現力・思考力は確実に高まっています。」とサポーターの時久さんはおっしゃっています。クラブの多くの子どもたちが取り組んでいる一般財団法人グリーンクロスジャパンの「『みどりの小道』環境日記」でもそうですが、何かを書くためには新聞や様々な資料を読み、理解したうえでわかりやすく伝えることを常に意識する必要があります。香美市こどもエコクラブのメンバーは、数々の賞を受けた先輩たちの作品に学び、またそれを超えることを目標にしながら、この活動を毎年繰り返すことでそれを自然に身につけているのです。

 

活動の環を広げるために

 クラブでは、これまでに作ってきた壁新聞を市役所に展示してもらうなど、子どもたちが作ったこれらの力作をもっと有効に活用する方法も考えています。自分たちの活動を知らせるという新聞本来の役割を発揮させ、地元の人たちに共感と応援の輪を広げていくことを目指しているのです。

また今年、クラブにとってとてもうれしいニュースがありました。クラブで活動していたOGの大学生が、サポーターとして戻ってきてくれたのです。子どもたちにとっては憧れのお姉さんであり、また小学校の先生を目指すOGの方にとっては子どもたちとともに活動する経験を積める貴重な場になります。クラブの卒業生で小学校の先生になっている方は他にも何名かいらっしゃるそうなので、きっと第二、第三の香美市こどもエコクラブが出てきてくれることでしょう。楽しみですね‼

写真⑤WEB.jpg

~全国事務局より~
香美市で本格的に活動を開始して9年。今年6年生のメンバーの一人は、3歳のときからクラブのお兄さんお姉さんと一緒に森に出かけ、活動していたそうです。壁新聞づくりも同じ。先輩たちがやっていることを真似するところから始めて少しずつ自分たちなりの工夫を加え、何年も続けることで先輩たちを凌ぐような作品をつくれるまでに成長しました。今は自分たちがしてもらったのと同じように後輩たちの手助けをすることで、また次の世代が育っています。
せっかくすばらしい活動をしているのだから、やりっ放しではもったいない。こどもエコクラブでは活動をふりかえり、成果をまとめ、伝えていくことを大切にしています。壁新聞づくりは膨大な時間とエネルギーがかかる大変な作業ですが、それだけの価値があると香美市こどもエコクラブのメンバーの成長をみて確信しました。これまでに作ったことのないクラブも、来年はぜひチャレンジしてみてください!!

みんなもチャレンジしてみよう!

「リアルヴォイス」では、幼児から取り組める簡単なプログラムから、学校や地域全体で取り組めるプログラムをご紹介いただけるサポーター&コーディネーターを大募集しています!また「こんなプログラムを紹介してほしいな」というリクエストも同時に受付けています♪

タイトルを「リアルヴォイス」とし、ぜひ全国事務局までメールをお寄せください。
プログラムをご紹介いただいた方は、こどもエコクラブ粗品を差し上げます。
皆様からのたくさんの声(ヴォイス)を、お待ちしています!

こどもエコクラブ全国事務局