ねらい |
- 樹木が様々な生きものにとってどのような役割を果たしているか、また他の生きものが樹木に集まることで樹木が助けられていることはないかなど、樹木と生きものとの関係を体験的に理解します。
- 樹木を目につき易い部分だけで見ずに、樹冠や幹、葉の茂った所、地表部分、地中の根などにも関心を持ち、樹木を総合的に捉えて見ます。
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進め方 |
【導入】
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自分にとっての「気になる木」を町や自然の中で見つけます(グループで一つの木を決めてもよいです)。 |
【実施】 |
自分が選んだ「気になる木」を上から下までじっくりと観察します。どのような生きものがどのような目的で木に集まってきているかを調べて(セミが木の汁を吸っていた等)、様々な生きものと木との関わりをシートに記入します。 |
【発展】 |
木と周りの環境とのつながりについても、考えてみましょう。 |
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ポイント |
- 1本の木がその種類に応じて、どのような役割を果たしているかをじっくりと掘り起こして考え、1本の木が多様な生きものと支え合っていることに目を向け、総合的なものの見方を経験します。
- 双眼鏡や虫取り網、カメラ、図鑑などを持っていくとその場で多くの発見ができるでしょう。
- 観察を行なった時の天候や時間帯(朝・昼・夜)、季節などの環境についても把握しておきましょう。
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応 用 |
- 観察する時期や時間帯を変えて、継続的に観察活動をし、「My気になる木」記録集としてまとめてみましょう。
- 広葉樹と針葉樹の違いや落葉樹と常緑樹の違いなども考慮して継続的な観察を行なってみましょう。そこから生物の多様性を維持するためには、どのような樹種が適しているかについて考えてみます。
- 樹木医さんがまとめている冊子などを参考にして、木の病気や土壌との関係についての学習とも関連付けることができます。
- 「気になる木」の生きものたちの世界を絵画にするなどの表現活動とつなげてみます。
- 生きものと食餌植物との関連を調べてみます。
- 実のなる木と集まってくる野鳥との関連を調べてみる。
- グループまたは各自が見つけた生きものの活動を紹介し合って、模造紙などにみんなの「気になる木」発見メモを貼り、まとめてみましょう。
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(もっと調べたい人たちは)にある設問の解答例
Q1:木はどこから栄養をとっているのでしょうか?
【解答例】
(1) 木の栄養のもとになるものには、どんなものがあるでしょうか。
( 水 )( 土 )(太陽の光)(二酸化炭素)(無機物)など
(2) 木は栄養をどこから吸収するのでしょうか。
( 根 )( 葉 )
Q2:下の図のような環境の中で、木の根っこはどんなふうに伸びているのでしょうか?
【解答のポイント】
樹木の枝や葉が茂っている部分を樹冠といいます。
樹木の根は、おおむね、樹冠の幅と同じくらいに土の中で伸びているといわれています。しかし、途中にコンクリートの壁があれば、それより先には広がらず、下に伸びるしかありません。
また、一方に川など水分が豊かにあるところがあれば、水を求めて樹冠よりも広く伸びます。
【解答例】

※木の根っこには、次の役割があります。
・地上に伸びている幹や枝を支える役割
・水分を吸収する役割 |