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Case24.~地域と学校の連携がうみだす豊かな学び~こどもエコクラブ中川小学校(岡山県矢掛町)

2022.08.10 掲載

今月は岡山県矢掛町の「こどもエコクラブ中川小学校」さんにインタビュー!
文部科学省が推進するユネスコスクールとこどもエコクラブの両方に登録し、「郷土を大切にする子ども」の育成を目標に掲げて、地域の人たちとともに活動を続けています。

クラブのSDGsアクションsdg_icon_15_ja_2.pngsdg_icon_14_ja_2.png


 

tyarenji3.pngこどもエコクラブに登録したきっかけは何だったんでしょう?

nakasyoicon.png私たちのすむ中川地区は、矢掛町の中でも豊かな自然環境に恵まれた地域です。住んでいると当たり前だと感じてしまうので、こどもエコクラブに登録することで、地域のよさに気付き、豊かな環境を守り、受け継ぐ活動ができるのではないかと思い、登録しました。

tyarenji3.pngクラブの自慢は何ですか

nakasyoicon.png中川地区には、「すてきなもの」「すてきな人」「すてきな場所」がたくさんあり、活動を通して、様々な年代の地域の方&スペシャリストと出会い、交流を深めることができることです。
「小田川の環境について考える」という授業では、小田川の支流である一之瀬川で生息する生き物から川の水の汚れがわかることを地域ボランティアの先生に教えていただきました。また、環境学習センター「アスエコ」の方と水のパックテストを行いました。水生生物とパックテスト両方の結果から、一之瀬川の水がきれいなことがわかり、川をきれいに保つために実践できることをしようという気持ちをもつことができました。

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tyarenji3.png確かに、ブログを拝見すると小田川をはじめ田んぼやぶどう園など魅力的な場所があり、役場や営農組合の方など多くの人たちが子どもたちの学習を支援されていますね!こうした地域の人々や施設との連携をうまくすすめるためのポイントを教えてください

nakasyoicon.png地域コーディネーターや公民館長と密に連絡をとること、それが一番です。活動を通して、地域の人としっかりコミュニケーションをとること、感謝の心を伝えることを大切にしています。様々な世代と繋がりをもてる矢掛町全体での取り組み(矢掛高校の地域学習「やかげ学」)や中川公民館の「TEGO隊」※としてボランティア活動をする中高生の姿を見たり、優しさに触れたりできる地域の土台があることも大きいと思います。nakasyo202208-2.jpg

※岡山県の方言でお手伝いを意味する「てご」が名前の由来。「小学校を卒業しても公民館へ来てほしい」という公民館長の思いから、卒業生に声掛けをして2012年にスタートしました。最初は公民館行事(運動会・盆踊り・公民館祭など)の司会や受付をしていましたが、自発的に地域を巻き込んで子どもたち(後輩)を支援する活動=公民館での「めだかの楽校」(学習支援)や防災キャンプなどへ発展しており、地域と学校の橋渡し役にもなっています。

tyarenji3.png年の近い先輩である中学生・高校生とふれあう機会を通して、お互いが地域のすばらしさを再確認できているようですね(^_^)
各学年でいろいろな活動をされていますが、もっとも中川小らしい取り組みといえば何でしょうか

nakasyoicon.png3、4年生が「総合的な学習の時間」に行っているジャコウアゲハを守る活動です。ひらひらと舞う姿がたいへん優雅なジャコウアゲハの生息地は、ウマノスズクサの分布地に限定されています。中川小学校の周りには、地域の方の尽力によりウマノスズクサが群生しています。中川小学校の子どもたちにとっては、一番身近にいる蝶であり、昆虫でもあります。授業中に教室に入ってくるのは日常茶飯事。気付いたら教室の壁や天井でさなぎになっています。nakasyo202208-3.jpg
子どもたちの生活の中にジャコウアゲハがいることは当たり前なので、その食草であるウマノスズクサをどの子も瞬時に見分けることができます。校庭で草取りをするときには、ウマノスズクサをぬかないように気を付けています。上学年が下学年に「ウマノスズクサだよ。ぬいちゃだめだよ。」と優しく教えているんですよ(教職員にもです(^_^))。黒い幼虫も子どもたちにとってはかわいくて「オレオ、オレオ!※」と声かけたり、教室内のさなぎを踏まないよう、かごや箱で覆い、無事に羽化できるよう見守ったりと、愛情いっぱいに育てています。
 
保護活動に継続して取り組むことで、活動をする3、4年生だけではなく、下学年も自然にジャコウアゲハに愛情をもって接するようになりました。最初は幼虫に触れなかった子どもたちが、育てていく中でジャコウアゲハに愛着をもち、自分の手にのせてかわいがったり、成長を気にかけ見守ったりするようになっていきます。ジャコウアゲハと接することを通して、他の生き物の命も大切にするようになってきました。地域の方にもジャコウアゲハの保護を伝えようと、高学年の子どもたちが看板を作成するなど、活動に広がりが見られるようになっています。

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※ジャコウアゲハの幼虫は黒色で真ん中に白色の帯があり、あのお菓子の色合いにそっくりなのです。

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tyarenji3.png2010年にユネスコスクールに加盟された後、こどもエコクラブにも登録されています。こどもエコクラブに登録することで、ユネスコスクールの取り組みにどのようなメリットがありましたか

nakasyoicon.pngユネスコスクールは、加盟校同士の活発な交流を通して情報・体験を共有し、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育手法の開発を目指すネットワークです。2015年にSDGsが定められてからは、持続可能な開発やライフスタイルといった環境分野のテーマにも重点的に取り組むことが推奨されるようになったのですが、こどもエコクラブとしても活動していたことで、子どもたちは自ずと身の周りの環境にも興味を持つようになっていました。
また、地域に根差した環境活動をすすめるこどもエコクラブの実践を通して、地域のよさをさらに意識することにつながりました。ユネスコスクールとこどもエコクラブの両輪を動かしていくことで「郷土を大切にする子ども」という目標に着実に近づいていると思います。

「こどもエコクラブ中川小学校」さん、ありがとうございました!tyarenji4.jpg

~全国事務局より~
豊かな自然環境を擁していることは大きな強みですが、それを活かそうとする学校、その学校の取り組みを支える地域の組織や人々の力が中川小学校の充実した活動の基礎になっていることがよくわかりました。様々な体験を通してふるさとの魅力に気付き、堪能できる小学校での6年間は、まさに郷土を愛し、その環境を受け継いでいく若者を生み出すために欠かせない時間になっています。
ユネスコスクールもこどもエコクラブも、持続可能な社会に向けた人づくりという重要な役割を担っていますが、その成果があらわれるまでには長い時間を要します。運営協議会の設置や公民館との連携など、継続するための仕組みを整えている中川小学校さんの事例は、多くのユネスコスクールやこどもエコクラブの参考になるのではないでしょうか。

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!

  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG