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Case23.~春の川で命のつながりを実感!~田上川こどもエコクラブ(鹿児島県鹿児島市)

2022.07.10 掲載

今月は鹿児島県鹿児島市の「田上川こどもエコクラブ」さんにフォーカス!
なんと活動19年目の大ベテランクラブです。町を流れる田上川の生き物観察を通じて命のつながりを感じるとともに、地域や河川の環境を見直すきっかけにしています。

クラブのSDGsアクションsdg_icon_15_ja_2.pngsdg_icon_14_ja_2.png

 

 それでは早速、インタビューしてみましょう!インタビュー.bmpのサムネイル画像

interviewmigi-e.pngのサムネイル画像19年の活動歴!こどもエコクラブに登録したきっかけは何だったんでしょう?

ikon_tagami.png鹿児島市を流れる2級河川新川水系の田上川では、都市化や洪水のため公共工事が進められており、河川環境にも負荷がかかっています。そこで、地域の公民館の講座の一つとして地域を見直すための見守り隊が結成されました。その講座のメンバーでこどもエコクラブに登録したのがきっかけです。

interviewmigi-e.pngのサムネイル画像講座での登録ということは、毎年メンバーが入れ替わるのでしょうか。

ikon_tagami.pngはい。講座のメンバーは約30名で、毎回入れ替わりますが、一度参加した方がリピーターになってくれたり、楽しかったよ!と、次の世代の子どもたちへつないでくれたりしています。そのおかげで19年も続けることができました。
また、公民館の講座ということで「ちょっと気になるな」と思っている地域のご家族も安心して参加してもらえますし、講座の運営に携わる公民館の皆さんの協力で毎年楽しい企画ができています。アウトドア学習なので、コロナ禍でも毎年活動することができました。いつも関わってくださる皆さんに感謝しています。
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interviewmigi-e.pngのサムネイル画像今や、地域に根付いた環境活動の場になっているんですね!毎年参加者が途切れないのは、きっと楽しい企画や活動をされているからなのでは★

ikon_tagami.png川の活動というと夏休み!という印象がありますが、私たちは春の小川をイメージし、水温が徐々に上がる5月から7月初旬に主に活動して、様々な生き物の命が生まれ育っていく様子を観察しています。産卵、稚魚の様子や、卵を抱いた魚や甲殻類の観察はとても神秘的で、メンバーたちも命のつながりを実感しています。
また、活動中は川の清掃活動もしています。ペットボトルや空き缶、タバコの吸いがら、デジカメ、自転車が見つかったこともあります。短い時間でも子どもたちは積極的に収集してごみの種類について調べて、川の状態が海に影響をすることやそれぞれの保全の大切さを理解しているようです。
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interviewmigi-e.pngのサムネイル画像いろいろな生き物が生まれ育っていく様子が観察できるなんて、田上川はきれいな川なんでしょうね。

ikon_tagami.png地域の宅地化が進んできていますが、川の上流には生き物のすむ豊かな自然が残されています。
在来種のメダカやカワムツ、タカハヤ、オイカワ、ヨシノボリ、サワガニ、テナガエビ、スジエビ、モクズガニ、ニホンイシガメ、アカハライモリ、シュレーゲルアオガエルなど、きれいな水にすむ生き物やレッドリストに指定されている生き物など、本当に様々な生き物が観察できます。
これらの生き物がこれからも田上川にすみ続けられるよう、地域の環境を守っていきたいと参加者みんなに感じてほしいと思っています。
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interviewmigi-e.pngのサムネイル画像田上川の豊かな生態系を守りたい!という思いはきっと子どもたちにも芽生えていると思います★
ところで、活動を通して子どもたちの成長を感じることはありますか?

ikon_tagami.png活動で学んだこと・感じたことなどをまとめて夏休みの自由研究にしたり民間のプログラムに積極的に応募したり、自治体の開催する環境フォーラムへ参加・発表するなど、思い思いに内外へ発信しています。
まとめる力はもちろん、自分の言葉でわかったことを発信する力が身についているなぁと感じています。
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interviewmigi-e.pngのサムネイル画像川での活動が主な「田上川こどもエコクラブ」さん、2021年度は全国一斉活動「おうちでBosai×Eco CAMP」にも参加されましたね。

ikon_tagami.png雨の多い6月の活動日が多く、いつも河川の水位を気にしながら行っています、活動場所が雨でなくても上流で降っていることもありますから。新川水系の下流側は堤防を固めて付け替えられた河川のため、下流に行くほどせまくなっています。かつて、大雨の後に川があふれていたため河川上流に洪水調節用のダムが建設されて下流の水害は抑えることができていますが、防災の活動はリスクマネジメントの上でもとても重要だと思っています。

interviewmigi-e.pngのサムネイル画像最後に、こどもエコクラブでやってみたいことを教えてください。

ikon_tagami.png昨年度、県で開催された環境子どもフォーラムに参加しました。子どもたちは発表の場があるとがぜん張り切りますので、オンライン開催など含めたプログラムなどを実施してもらえると、遠方や家族単位でも参加しやすいと思います。全国にいるこどもエコクラブの仲間と交流できるとうれしいですね。
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「田上川こどもエコクラブ」さん、ありがとうございました!ecomaruegao透過.png

~全国事務局より~
kawa-yawa.png川の活動というと「夏!」という固定概念がありましたが、春の川、そして生き物の命のつながりを感じる活動をしていると聞き、目の付け所が本当に素晴らしい★と感じました。そのステキな企画が続けられているのは、サポーターさんの工夫や力量に加え、公民館など地域の方々の協力があってこそ。こどもエコクラブの目指す「子どもたちを中心に地域の環境力が高まっていく」を、まさに実践されていることがわかりました。
希少種の生き物が見られるきれいな川で、産卵や稚魚が育つ様子を観察した子どもたちは、こどもエコクラブの活動が一生の思い出になると思います。大人が言わなくても、この体験や実感があれば、きっと田上川を守っていってくれることでしょう★
活動20年目、そしてその先もずっと続けていってくださいね。これからも期待しています!

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
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  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG