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先輩NOW:果歩さん&莉歩さん:ぽぽっぽくらぶ(大阪府守口市)OG

2022.03.14 掲載

こどもエコクラブがスタートして四半世紀が過ぎ、これまでに活動してきたメンバーは全国で延べ270万人を超えました。「先輩NOW」では、クラブの活動を通して成長した先輩に登場してもらい、当時の思い出や今どんなことをしているかなどを語っていただきます。頼もしい先輩たちの姿、必見ですよ~!!

今回は大阪府守口市の「ぽぽっぽくらぶ」で活動していた双子の「果歩(かほ)さん」と「莉歩(りほ)さん」に登場していただきます

interviewmigi-a2.pngまず、クラブに入ったきっかけや活動期間について伺いました

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私たち3姉妹の名前、果歩、莉歩、歩佳の歩を3つ合わせて「ぽぽっぽくらぶ」

クラブ名に小さな「っ」が入っているのは、果歩と莉歩が双子で、歩佳は6歳離れているからです。果歩と莉歩は、小学校5年生から高校3年生まで活動していました。小さいころから生き物が大好きで、琵琶湖淀川水系の河川でバードウオッチングなどの自然観察を行ってきました。
琵琶湖淀川水系ではゴミ問題や外来種問題が深刻で、各河川で行われている清掃活動や外来種駆除活動にも参加するようになりました。大阪市主催のECO縁日に行った時、私たちと同じように家族で活動しているクラブと出会い、こどもエコクラブのことを知りました。この家族は、生き物観察などの体験を壁新聞にして舞台で発表していたので、私たちもエコ活動を多くの方に知ってもらいたいと思い入会しました。

interviewmigi-a2.png一番印象に残っている活動はなんですか?

kaho_popoppo.png果歩さん
稲作体験や生き物観察で感じたことを『田んぼパワー』という詩にして、地球となかよしメッセージコンクールで、【環境大臣賞】受賞しました。
滋賀県の水田での稲作では、稲作を通じて、人々や生き物、水辺のつながりを学び、そしてその地域の伝統や文化にも触れることができ、とても貴重な経験をさせて頂きました。
伊勢神宮から種子(米の品種はイセヒカリ)を分けて頂きました。田植えの前には「お田植え祭り」が行われ、水田の前に祭壇が作られ、これから植える苗と地元で収穫した野菜、お神酒などが設(しつら)えられます。そして、平安神宮の宮司さんによる祈祷が行われ、参加者全員で豊作を祈りました。
田植えは、赤いタスキをかけて早乙女姿になり、横一列になって一斉に苗を植えます。水田の土に足をとられるために歩行が困難で、トノサマガエルを踏みつけて驚き、のけ反って転んで、泥だらけになりました。
稲作と並行して水田を取り巻く水路や水路につながるため池、小川を含めた里地・里山で生き物観察も行いました。
無農薬の水田には、ミジンコやカイエビ、イトミミズ、タニシ、オタマジャクシ、コオイムシ、トンボ、チョウ、バッタなどが生息しています。また、水田につながる水路や小川、ため池には、アメリカザリガニやドジョウ、フナも見られ、これらの生き物を狙って、ヘビやサギがやって来ます。食虫植物のイシモチソウとモウセンゴケなどの珍しい植物も生えていました。これら全ての動植物を目の当たりにした時の驚きは、今でも鮮明に憶えています。
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田植え(左:果歩さん、中:莉歩さん、右:歩佳さん)
riho_popoppo.png莉歩さん 
こどもエコクラブ全国フェスティバル2011で壁新聞が【環境大臣優秀賞】を受賞!
『琵琶湖・淀川水系まるごと体験2010~近畿2府4県にわたる琵琶湖・淀川水系でのエコ体験活動~』について壁新聞にまとめて発表しました。

一番印象に残っているのは、琵琶湖、淀川、木津川、桂川及び淀川で構成されている琵琶湖淀川水系の水辺環境保全活動に参加したことです。中学生の時には、淀川の清掃活動で集めたゴミを調べました。午前中2時間の活動で、ゴミの総量は45リットルのポリ袋が100袋分もありました。ゴミの種類はプラスチック等の破片とペットボトルがほとんどで、これらのゴミは最終的には淀川から大阪湾へと流れていき、今話題となっているマイクロプラスチック問題につながります。河川のゴミは河川だけに止まらず、海洋問題へと大きく膨らむことになっています。
さらに、淀川の清掃活動では頻繁に注射器や農薬が入ったままのビニール袋が捨てられているのが見つかります。また、鴨川の清掃活動のときにはタバコの吸い殻をコサギが食べているのを見たこともあります。
外来種問題については、琵琶湖の外来魚駆除では、水の中のブルーギルが群れになって泳いでいるのが見えており、仕掛けを入れると入れ食い状態で、次から次へと引っ切り無しに釣れました。また、人間が連れてきた外来魚の胃袋の中にも、人間がつくりだした釣り針やワームの疑似餌などゴミ問題が存在するという、悲しい現実を目の当たりにしました。
琵琶湖淀川水系の水辺環境悪化の原因となっているゴミ問題と外来種問題は現在も解決されず、継続している問題です。ゴミ問題につきましては、私は各河川で行われている清掃活動を毎月1回、10年以上続けています。今も全くゴミが減っていません。それどころか、台風や大雨が来る度、ゴミが増えていることがほとんどです。
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河川の清掃活動(左:果歩さん、中:莉歩さん、右:歩佳さん)

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環境大臣優秀賞を受賞した壁新聞
(クリックで拡大)

 

interviewmigi-a2.png現在、ぽぽっぽくらぶの活動を通して学んだこと、現在の活動や勉強に活かせていることを教えてください。

kaho_popoppo.png果歩さん
地域のコミュニティラジオFMもりぐちの番組『さわやかワイド82.4!』の「ぽぽっぽくらぶの自然大好き!」というコーナーにに出演して情報発信しています!
こどもエコクラブで、自然を守るためには、「百人の一歩」が何よりも必要だということを学びました。そこで、より多くの人に自然や生き物の大切さを知ってもらい、一人でも多くの人に環境に意識を向けて頂くために、毎月生出演し、自然の面白さや奥深さ、大切さなどについてお話しています。
こどもエコクラブの全国フェスティバルに参加した時、講師の方が「一人の百歩より百人の一歩」とおっしゃっていました。私たちはそれまでは、家族だけで精一杯頑張ろうとしてきましたが、「自然を守るためには、「百人の一歩」が何よりも必要だ」ということを学びました。
現在は、新型コロナウイルスの影響で出演できていませんが、5年間ほど活動してきました。ラジオでは、野鳥や植物、キノコなどの身近な生き物観察から、農業体験やモニタリングサイト1000・里地調査、山野草を食す会、源流探検などの自然体験まで幅広くお話しし、さらに、ゴミ問題や外来種問題について発信してきました。これからも、さまざまな機会を活用して、自然について五感をフル活用し、楽しみながら学ぶことの楽しさや大切さを多くの人に伝えたいと思います。

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ラジオ「ぽぽっぽくらぶの自然大好き!」(奥:莉歩さん、中:歩佳さん、前:果歩さん)

riho_popoppo.png莉歩さん
元『古代湖浪漫よしガールズ』、現在は琵琶湖・淀川水系自然派アーティストぽぽっぽくらぶとしてデビュー
こどもエコクラブの活動、河川のゴミ拾いや外来種駆除活動を通して、ゴミ問題も外来種問題も、引き起こしたのは人間で、その問題を解決できるのも私たち人間であることを学びました~そこで現在、私たちは歌で自然の大切さや、面白さを伝える歌手活動をしています。
高校1年生の時、水辺に生えている植物、ヨシの魅力を歌で伝えるシンガーのオーディションがあり、少しでも多くの人に自然の素晴らしさや大切さを伝えたいと思い、オーディションを受けました。書類審査と歌唱審査、面接を経て合格し、『古代湖浪漫よしガールズ』の一員ぽぽっぽくらぶとしてデビューしました。
琵琶湖博物館アトリウムコンサートや大阪自然史博物館での大阪自然史フェスティバル、花博記念公園鶴見緑地でのECO縁日、藻川水辺まつり、蛍ほのぼのコンサートなど様々なところで歌わせて頂きました。『古代湖浪漫よしガールズ』を卒業してからは、『琵琶湖・淀川水系自然派アーティストぽぽっぽくらぶ』として、私たちで作詞作曲した、『みんなのRIVER』や『真昼の花火』、『緑の地球(ほし)』、『田んぼの恵み』、『イタセンパラダイス』などのぽぽっぽくらぶのオリジナルソングを京都環境フェスティバルや淀川三川合流域さくらであい館ミニコンサート、近畿河川フォーラム兼淀川討論会、大和川水辺の楽校まつり、川の魅力発見交流会、ヨシ刈りのイベントなどで歌っています。また、ヨシ笛やコカリナなどの自然素材で作られた楽器の演奏も行っています。
これからも、これらの活動を通して、出会った生きもの、体験したこと、学んだことを活かして、自然に興味が無い方に、少しでも興味を持ってもらえるような曲作りをしていきたいと思っています。

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京都環境フェスティバルでのミニライブ(左:歩佳さん、中:果歩さん、右:莉歩さん)

interviewmigi-a2.pngクラブのみんなに一言!

kaho_popoppo.png果歩さん
今できることをできるうちにしておこう!
命も自然も建物もイベントも、永遠にあるわけではありません。次は無いかもしれません。「あの時ここに行っておけば良かった。。。」「あの時、これに参加すればよかった。。。」など、後悔しても無くなったものは取り戻すことができません。こどもエコクラブも、こどもでなければ参加者にはなれません。イベント自体が無くなることもあれば、参加資格が無くなることもある。
じゃあ、今を精一杯楽しんだらいいんじゃない?やってみなくちゃ分からない。最初からあきらめずに、とりあえず何でもやってみてはいかがでしょうか。
riho_popoppo.png莉歩さん
まずは「実体験」! 自然に触れよう!
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を使って自然を感じることから始まります。そして、「知る」ということを大切に!! 生き物の名前や、特徴、自然の面白さ、楽しみ方、環境問題など、知らないと次に進めません。逆に知るからこそ、楽しむことや考えることができると思います。何事にも興味を持って、色々なことを学んで、今できることを楽しんでください。
 Facebookで、体験したことを発信しています。ぜひ、『ぽぽっぽくらぶ』で調べてみてください。

ぽぽっぽくらぶ活動レポートが読めるこどもエコクラブページはこちら
Facebookでは、ぽぽっぽくらぶのリアルタイムをお届け!FB.png

All Japan Youth Eco-clubでは随時、仲間を募集中!
http://www.j-ecoclub.jp/topics/youth/201507171000.html

全国事務局よりa-su.pngのサムネイル画像
お二人がメンバーだった頃、毎週のように活動報告をあげてくださっていて、スタッフ全員で応援していたことを思い出します。そのメンバーの活躍を現在のクラブのメンバーやサポーターの皆さんにご紹介できるのは、スタッフ冥利につきます。小学生の頃から一つひとつの活動に主体的にかかわることで、何が問題で、何が課題なのか、どうしたら解決できるのか、そのためには今何が大切なのか、お二人はそれぞれしっかりと信念をもって課題解決にむけて活動していることがわかりました。
これからも子どもたちの先輩として、また頼もしい先生として、こどもエコクラブを引っ張り、応援してくれることを期待しています!

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!

  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG