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Case22.~保育園の楽しく丁寧な食育~アスク大倉山保育園(神奈川県横浜市)

2022.02.10 掲載

今回は神奈川県横浜市の「アスク大倉山保育園」さんの登場です
こどもエコクラブでの活動歴は6年目。90名のメンバーで活動している保育園のクラブです。ふだんから「食事の大切さ」を伝えることを大切にされているとのこと。

クラブのSDGsアクションsdg_icon_02_ja_2.png  sdg_icon_03_ja.png

それでは早速、インタビューしてみましょう!インタビュー.bmpのサムネイル画像

interviewmigi-t.png観光地として有名な横浜市で活動されている「アスク大倉山保育園」さん。園の周りにもメンバーのみなさんに人気のお出かけスポットなどがあるのでしょうか?

icon_ask2202.pngはい。身近には「大倉山記念館」や「梅林公園」という場所があります。「大倉山記念館」は喧騒を忘れさせてくれる、西洋の館・建物できれいな場所です。「梅林公園」は様々な種類の梅の木が広がり、開花の季節はとても美しく、遠足に利用したこともあります。ほかには「横浜アリーナ」や「日産スタジアム」も新横浜駅近くにあり、お出かけスポットはとても豊富です。

interviewmigi-t.pngお散歩にピッタリな、いろいろな種類の植物を観察できるスポットが身近にあってすてきですね。春も近いので、私もぜひ行ってみたいです^^
日頃の活動では、身近な公園で自然にふれるほか、園庭やプランターでいろいろな植物を育てていらっしゃるそうですね。どんな植物を育てているのか教えてください。

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今年度はキュウリやピーマン、オクラ、ナス、赤かぶなどの野菜を中心に育てました。メンバーたちは土が乾いているとすぐに気付き、「お野菜・お花に早くお水あげなきゃ!」と進んで水やりを行い、種まきや苗植えから野菜ができるまで、「きゅうりの赤ちゃんが生まれたよ!」「ひまわりの背がまたおっきくなってるよ!」と、毎日成長や発見を喜んでいました。

interviewmigi-t.pngメンバーみんなが植物をしっかり観察しているということですね。育てている植物への温かい気持ちを感じます^^

icon_ask2202.pngコロナ禍で休園になった期間もあり、育てた野菜を使ったクッキングや食べる事がほとんどできなかったのですが、収穫した野菜を手に取り「ざらざらだ!」「大きいね!」「不思議な匂いがする」と感触や香りを楽しんだり、乳児クラスでは野菜スタンプを作って楽しんだりしました。

interviewmigi-t.png子どもたちは、園全体で育てている植物を大切に思っているんですね。収穫した野菜をその場で食べられなくても、実際にさわった時の手触りや匂いはメンバーみんなの宝物になっているのではないでしょうか^^

活動をする時に工夫していることは何でしょう?

icon_ask2202.pngunnamed.jpg食事の大切さを伝え、食品ロス・残食をなくせるように心がけています。まず、食品ロスを減らす工夫として、毎日給食で使用している野菜の廃棄部分を玄関に飾り、手軽に生野菜に触れる機会を設けています。帰り際に、メンバーが保護者に「今日この野菜給食に入っていたの!」と楽しく話しています。また、根野菜の皮やブロッコリーの茎部分は野菜の土臭さやえぐみをなくすためにしっかり加熱し、職員用のスープ等に加えています。

interviewmigi-t.pngそれはすばらしい取り組みですね。保護者の方との楽しい会話にもつながると感じました。また、皮や茎の部分についても調理に工夫されていてすてきですね!とても美味しそうです。

icon_ask2202.pngunnamed (2).jpgメンバーたちにはどうして野菜を食べる必要があるのか、どんな意味が込められている料理なのかをしっかり伝えています。園ではクラスごとにテーマを設けていて、5歳児クラスでは今年のテーマを「日本」とし、毎月クッキングで郷土料理を作っています。毎回、クッキング開始前に導入としてどのような県の料理なのか、どんな料理なのかを話し、イメージをしてから料理を作ります。中でも方言クイズは大盛り上がりです!

他クラスでは、行事料理や旬の食材を使用した料理、世界の料理を作っています。あまり家庭では作らなさそうな、特別な料理を取り入れています。珍しい料理を作ることで、メンバーは保護者に「今日はこういう料理を作って、こんな味がしたんだよ!」と話していて、親子で食や会話を楽しんでいるようです。

また、自発的に料理に取り組んでほしいという思いから、いくつか料理の候補を自分たちで提案して、選んでもらう事もします。「これ食べてみたかったんだよね!」「作ってみたかったやつ!」と楽しそうにしています。

interviewmigi-t.png日本の郷土料理に方言クイズ!給食の時間が本当に楽しそうです。ふだんから行事料理や世界の料理について聞いていると、食べてみたい!作ってみたい!と思う料理もいろいろありそうですね^^ みんな、食について興味がどんどんわいてくるのでは。

icon_ask2202.pngほかにも、五感をたくさん使うクッキングにもチャレンジしています。例えば、ふだん飲まないだし汁を味見してみたり、ダンスをしながら生クリームを振ってバターを作ったり。また、出来上がる前と出後での料理の香りの変化を感じたり、炒めたり揚げたりする音を聞いてみたり。料理が出来上がるまでの過程全てに携わることによって、いつも食べている料理はこうして出来上がることを学んでいます。

interviewmigi-t.png五感を使ったクッキング、とてもステキです。食べることが何倍も楽しみになりそうですね。

icon_ask2202.pngみんなで食を楽しみ美味しく食べています。メンバーたちは毎回一生懸命作って出来上がった料理を「○○が美味しかった!」「○○が嫌いだけど自分で作ったやつだから食べれた!」「たくさん動いてお腹すいた」と楽しそうに話しています。

interviewmigi-t.pngこんなに活動が充実していると、子どもたちもグングン成長しているのでしょうね。

icon_ask2202.png食にあまり興味がない子でも、野菜クイズや注意点を質問すると、一生懸命考えたり答えてたりしてくれています。以前まで生野菜や小麦粉等の生地を触るのも消極的だった子が、楽しく自分から取り組んでいる姿に成長を感じ、嬉しい気持ちでいっぱいです。また、「次は何作る?」「こうすればもっと美味しそう!」と次のことまで考えて作っている様子にも感心します。初めて刃物を扱う際はとても緊張していましたが、今では包丁をうまく使い、料理を一品作れるようになっている年長クラスにはとても驚かされます。調理器具の使いこなしや料理の上達もさることながら、何よりもメンバーたちが食を楽しんでいる姿に成長を感じています。
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interviewmigi-t.png包丁を使って料理を1品作れるというのは本当にすごい!私が5歳のころなど、包丁を握ったことすらありませんでした。
食育以外では、どのような活動をされているんでしょうか?

icon_ask2202.png2021_19765.jpgふだんゴミにされる廃材を家庭から集め、それらを使った自由工作や、お店屋さんごっこの材料を作りました。何を作ろう?と考えながら自由な発想で作る時、メンバーみんながとても生き生きしていました。また、お店屋さんの商品を製作した際だけでなく、商品を売る時・買う時もとても楽しく取り組んでくれました。

interviewmigi-t.pngアスク大倉山保育園さんは、メンバーと一緒に環境やエコについて考えるきっかけになればと、クラブ登録されたと伺いましたが、登録して良かった点があれば教えてください。

icon_ask2202.pngこどもエコクラブの良さは、身近で当たり前になっている環境について、改めて見つめ直したり、考えてみたりすることが出来るところだと思います。また、それを全国の仲間と共有し、より意識や意欲を高めていける事だと思います。

<事務局からのコメント>camp-a.pngのサムネイル画像
幼児のメンバーが植物の栽培や食べる活動を経て、5歳になると包丁を使った調理の活動もされていると伺いとても驚きましたが、それはサポーターさんとの楽しく工夫あふれる活動の賜物だと感じました。また、メンバーは植物の栽培や食べるという活動を通して温かく優しい心を培っていることが分かりました。サポーターさんの「メンバーが食を楽しんでいる姿に成長を感じる」という言葉から、メンバーが日々楽しく活動されているようすと、サポーターさんがメンバーに向ける温かい気持ちが伝わります。これからも素敵な活動をつづけていってください^^アスク大倉山保育園さんの活動をこれからも応援しています!

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
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  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG